ヒト型セラミド=セラミドNG、セラミドNP、セラミドAP
由来
3種のヒト型セラミド、セラミドNG(N-ステアロイルジヒドロスフィンゴシン)、セラミドNP(N-ステアロイルフィトスフィンゴシン)、セラミドAP(ヒドロキシステアリルフィトスフィンゴシン)と、水素添加大豆リン脂質、植物由来ステロールを配合したナノカプセル前駆体です。
セラミドは、スフィンゴイド塩基と長鎖脂肪酸がアミド結合した構造をもつ中性脂質分子の総称です。5種類のスフィンゴイド塩基と4種類の脂肪酸の組み合わせにより、20種類に分類されます。それぞれの種類は脂肪酸とスフィンゴイド塩基の略語を用いて「セラミド + 脂肪酸 + 塩基」の順で命名されます。
化粧品に配合されるセラミドは、人間の体に存在するセラミドと全く同一の構造をもつ場合のみ、化粧品表示名「セラミド + 英字」として登録されます。このようなセラミドは一般に「光学活性ヒト型セラミド」、または「ヒト型セラミド」と呼ばれています。セラミドNG、NP、APは、肌の角層に存在するセラミドNDS、NP、APと同一の化学構造をもちます。
ベネフィット
私たちの肌の角層は、天然保湿因子を含む角質細胞とその間を満たす細胞間脂質によって、レンガとモルタルと似た構造で構成されています。そのうち、細胞間脂質の約50%はセラミドです。セラミドは、両親媒性分子種とともにラメラ液晶構造を形成し、その親水性部分に水分を保持して機能していることが知られています。細胞間脂質のセラミド組成の上位には、セラミドNP(29.4%)、NH(23.4%)、NDS(11.3%)、AH(9.1%)、EOS(7.7%)、AP(6.4%)等があります。
セラミドは、肌のバリア機能を維持するのに非常に重要な成分です。肌が乾燥等の外的要因や、アトピー性皮膚炎等の内的要因により乾皮症が生じた場合、角質層の水分保持能とバリア機能が低下します。肌の表面から水分が蒸散することによって角質細胞と細胞間脂質が規則的に並ばなくなり、そこに生じた隙間からさらに水分が蒸散し、肌の水分量とバリア機能がさらに下がっていく悪循環に陥ります。つまり、角層内の細胞間脂質を補充し、ラメラ液晶構造を再構築することは、バリア機能の修復や肌を健やかに維持するために極めて効果的です。
ただし、化粧品に配合される場合、セラミドを単独で塗布しても、肌のバリア機能回復がかえって遅れてしまうことが報告されています。また、コレステロールや脂肪酸を適切な比率と技術で配合し、肌との親和性や浸透性(角層まで)を考慮した処方からしかセラミド機能が発現されないと言われています。そのため、ロサ・フェアで使用するヒト型セラミドはナノカプセル化されています。
さらに、セラミドNGやAPを用いた細胞・ヒト試験の結果によりますと、ヒト型セラミドは複数を組み合わせることで浸透性(角層まで)が高まるほか、ラメラ液晶構造が安定化し、バリア機能の改善効果が高まると観測されています。そして、試験中に観測されたバリア機能改善のメカニズムは、塗布中止後もある程度角層のバリア機能が保持されていることから、塗布したセラミドが肌の表面に残存したのではなく、角層に取り込まれ、ラメラ液晶構造の再構築に寄与している可能性が高いと考えられます。
セラミドNGとNPは医薬部外品原料規格2021に収載されております。セラミドNG、NP、APは27年の使用実績があり、肌や目の刺激性やアレルギー性がほとんどないと思われます。
エシカルスタンダードへの準拠
持続可能な栽培環境で生産された自然由来原料(リン脂質:大豆、ステロール:植物、セラミド:酵母)を使用しており、環境への有害性がほぼないビーガン処方です。